
新幹線は世界でもトップクラスの定時運行率を誇りますが、台風や大雪、事故などで思わぬ遅延に巻き込まれることがあります。
そんなとき気になるのが「返金は受けられるのか?」「遅延証明書はどうやってもらうのか?」という点です。
この記事では、JR公式ルールをもとに 返金条件・ケース別対応・払い戻し方法・遅延証明書の入手方法 を利用者目線で分かりやすくまとめました。旅行者や出張利用者が安心して対応できるよう、早見表や比較表も掲載しています。
目次
新幹線遅延時の返金条件
注意したいのが新幹線のような特急列車に関しては特急券と乗車券に2枚を購入していると思いますが扱いが別々であるということにご注意ください。
- 到着が2時間以上遅れた場合 → 特急料金が全額払い戻し
- 乗車券は返金対象外
- グリーン料金やグランクラス料金も原則返金対象外
- 割引きっぷや企画乗車券は商品ごとに返金対象外となる場合あり
詳しくは以下のJR公式サイトをご確認ください:
ケース別対応
旅行を取りやめる場合
乗車券+特急料金の全額払い戻し
新幹線の運休により諦める場合は、乗車券、特急券の両方を払い出してもらえます。
途中駅で旅行を中止した場合
未乗区間の運賃+特急料金が返金対象
新幹線の運休により諦める場合は、乗車券、特急券の両方の一部を払い出してもらえます。これはなかなか選択しないよね。
運休の場合
乗車券+特急料金の全額払い戻し
新幹線が止まってしまい動かない場合は新幹線の乗車券、特急券両方払い戻してくれます。
120分未満の遅延
返金なし
特急券は指定時刻から120分以内に目的地に到着した場合は返金の対象とならないので注意してください。
120分以上の遅延
特急料金の全額払い戻し
120分以上、乗車する特急列車が遅延した場合は特急券の代金を払い戻してくれます!乗車した電車が遅延した場合は返金してもらいましょう。
乗車券が返金対象にならないのは乗車券とは目的地まで移動するための料金なんですよね。そのため遅延とは無関係に扱われます。
返金早見表
| 区分 | 払い戻し対象 | 条件 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 通常の遅延 | 特急券のみ | 到着が2時間以上遅れた場合 | 運賃は返金なし |
| 旅行を取りやめ | 特急券+乗車券(全額) | 到着が2時間以上遅れる見込み | 全額返金 |
| 途中駅で中止 | 未乗区間の特急券+乗車券 | 遅延や運休で途中下車 | 未乗区間のみ返金 |
| 運休 | 特急券+乗車券(全額) | 列車が運休 | 全額返金 |
| 120分未満の遅延 | なし | 到着が2時間未満の遅れ | 原則返金なし |
| 120分以上の遅延 | 特急券(全額) | 到着が2時間以上の遅れ | 特急券料金のみ返金 |
払い戻しの手続き方法
紙のきっぷ
- 改札で「遅払」と印字された特急券が証明になる
- 到着駅の精算所や窓口で払い戻し可能
スマートEX・エクスプレス予約
- 改札通過時のIC記録に遅延情報が残る
- 駅窓口でIC記録を確認して払い戻し可能
共通事項
- 払い戻し期限は証明日から1年以内
- 証明書やIC記録が必須
遅延証明書の入手方法
紙のきっぷ
- 改札で「遅払」印字 → 遅延証明として利用可能
- 窓口で正式な遅延証明書を発行可能
スマートEX・エクスプレス予約
- IC記録を窓口で確認 → 遅延証明書を発行可能
オンライン証明書
- JR東日本・JR東海など公式サイトでPDF形式の遅延証明書を公開
- 公開期間は通常1週間程度
新幹線の割引商品(企画乗車券)の例
ここで遅延時の払い戻し対象外となるJRの販売しているよくある割引チケットについてみてみましょう。これらの割引チケットは遅延時の返金対象外になるので注意してください。
東海道新幹線系
- ぷらっとこだま(JR東海ツアーズ)
・こだま専用の格安商品。ドリンク券付き。
・遅延・運休による払い戻しは対象外。出発前のみ手数料を払って払い戻し可能。 - EX早特(エクスプレス予約・スマートEX)
・3日前までの予約で割引。区間によっては最大20%以上安くなる。
・遅延時は通常の特急券と同じ扱いで、2時間以上遅れれば特急料金返金対象。 - 新幹線回数券
・同一区間を複数枚セットで販売。割引率は3〜5%程度。
・現在は東海道新幹線の一部区間のみで販売。
山陽・九州新幹線系
- バリ得新幹線(旅行会社商品)
・旅行会社限定の格安チケット。指定列車限定。
・遅延・運休による払い戻しは対象外。 - スーパー早特きっぷ
・早期予約で割引。山陽・九州新幹線で設定。
・遅延時は通常の特急券と同じ扱い。
北海道・東北新幹線系
- フリーきっぷ(北海道フリーきっぷ、東北周遊きっぷなど)
・指定エリア内で乗り放題。観光施設入場券がセットになる場合もある。
・払い戻し条件は商品ごとに異なる。
注意点
- 企画乗車券は「遅延返金対象外」が多い(ぷらっとこだま、バリ得新幹線など)。
- 早特系は通常の特急券扱いなので、2時間以上遅延すれば返金対象。
- 購入時の規約が最優先。商品ごとに払い戻し条件が異なるため必ず確認が必要。
割引チケットの遅延時の公式情報リンク
割引商品は通常の特急券と扱いが異なる場合があります。詳しくは以下の公式サイトをご確認ください:
JR東日本 えきねっと:列車の運休・システムトラブル時のお取扱い
JR西日本:エクスプレス予約 運休・2時間以上遅延時の取り扱い
JR新幹線ネット:新幹線が遅延した場合の払い戻し(割引きっぷの扱い含む)
JRおでかけネット:トク特きっぷ・EX予約サービスの払いもどしについて
通常券と割引チケットの比較表
| 項目 | 通常の特急券 | 割引チケット(企画乗車券) |
|---|---|---|
| 価格 | 定価(乗車券+特急券) | 通常より安い設定(早特・旅行会社商品など) |
| 遅延時の返金 | 到着が2時間以上遅れた場合、特急料金は全額返金 | 商品ごとに異なる。 ぷらっとこだま・バリ得新幹線などは返金対象外 |
| 旅行取りやめ | 乗車前なら乗車券+特急券ともに払い戻し可能(手数料あり) | 出発前のみ払い戻し可能。 遅延・運休による返金は不可の場合が多い |
| 柔軟性 | 自由度が高い。変更・払い戻しも可能 | 指定列車限定・変更不可の商品が多い |
| 代表例 | 通常のきっぷ(乗車券+特急券) | ぷらっとこだま、EX早特、バリ得新幹線、スーパー早特きっぷなど |
詳しくは以下の公式サイトをご確認ください:
注意点
- 120分未満の遅延は返金対象外だが証明書は発行される
- 割引商品は返金対象外の場合あり
- 窓口が混雑していても後日対応可能(証明書必須)
通常券と割引チケットの比較表
| 項目 | 通常の特急券 | 割引チケット(企画乗車券) |
|---|---|---|
| 価格 | 定価(乗車券+特急券) | 通常より安い設定(早特・旅行会社商品など) |
| 遅延時の返金 | 到着が2時間以上遅れた場合、特急料金は全額返金 | 商品ごとに異なる。 ぷらっとこだま・バリ得新幹線などは返金対象外 |
| 旅行取りやめ | 乗車前なら乗車券+特急券ともに払い戻し可能(手数料あり) | 出発前のみ払い戻し可能。 遅延・運休による返金は不可の場合が多い |
| 柔軟性 | 自由度が高い。変更・払い戻しも可能 | 指定列車限定・変更不可の商品が多い |
| 代表例 | 通常のきっぷ(乗車券+特急券) | ぷらっとこだま、EX早特、バリ得新幹線、スーパー早特きっぷなど |
詳しくは以下の公式サイトをご確認ください:
まとめ
新幹線が遅延した場合、通常の特急券であれば到着が2時間以上遅れると特急料金が全額返金されます。ただし、乗車券(運賃部分)は遅延だけでは返金されません。旅行を取りやめる場合のみ、乗車券も含めて払い戻しが可能です。
一方で、ぷらっとこだまやバリ得新幹線などの割引きっぷ・企画乗車券は、遅延や運休による返金対象外となるケースが多いため注意が必要です。安さのメリットと柔軟性の違いを理解したうえで選ぶことが大切です。
新幹線を利用する際は、通常券と割引商品の違いを把握し、購入前に必ず公式サイトで最新の払い戻し条件を確認しておくと安心です。





